理事長所信

2023年度理事長 樫山 淳一

 

【スローガン】

幸せな組織と、ウェルビーイングなまちづくり

 

【基本理念】

 

幸せな地域は、自分たち自身の幸せから始まります。

自ら喜びを求め、自主的に活動していきましょう。

 

【基本方針】

1. インパクトのあるまちづくり
2. 大きな夢を語る青少年育成
3. 継続的な成長と発展の機会の提供
4. 最大効率で効果の出る組織改善
5. 地域で一番楽しそうに活動して仲間を増やす

 

【はじめに】

本年度57年目を迎えた佐久青年会議所は、これまで「明日の明るく豊かな佐久平」実現のため、多くの運動・事業を展開してまいりました。
そんな中、新型コロナウイルス感染症は全ての日常と生活を変え、その影響はす でに3年にも及ぼうとしています。
また、2022年にはロシアのウクライナへの軍事侵攻も起こり、平和で幸 せな状態は簡単に壊れるものだということを改めて認識することになりました。

そうした全てが不安定な世の中だからこそ、我々は改めて、自分自身の「幸せ」や、周囲の人や地域の「幸せ」 を深く考える必要があるのではないでしょうか。

あなたは今、幸せですか?

一緒に活動しているメンバーは幸せですか?

地域に暮らす人々は、幸せですか?

私たちは、先輩諸兄の築き上げた伝統と想いを継承し、自ら率先して行動していくことで、自分達自身と、関 わる全ての人たちを幸せにしていくことができるはずです。

 

〜幸せ・Well-being(ウェルビーイング)とは〜

近年、幸せという概念に対し、Well-being という言葉が注目されています。幸福という日本語に対応する英語として、Happiness と Well-being という言葉があり、Happiness は瞬間的な幸せ、Well-being は持続可能な広 義の幸せ、充実した幸せな状態を表します。
最近では企業経営でも多くの Well-being に対する学術的研究があ り、日本政府も成長戦略や骨太の方針に、Well-being について記載するなど、非常に注目されている概念です。

こうした「幸せ」が注目される背景には、科学技術の発展と経済成長、それがもたらす豊かさの向上が、必ず しも人間の幸せにつながっていないのではないかという考えがあります。我々は「明日の明るく豊かな佐久平」 実現のために活動していますが、豊かさ、ひいては幸せについて、改めて考え直す時期に来ています。

一方で、自分達自身の幸せも深く考える必要もあります。自分自身が幸せでなかったら、どうして周りの人や 周囲の人を幸せにできるでしょうか。近年の研究では、幸せな状態の会社員は、通常より創造性が3倍、生産性 も30%アップするという研究結果もあります。自分自身が幸せな状態というのは、仕事においても成果を出し やすくし、我々は青年会議所の活動を通じ、それを地域に波及することができるのです。

本年度の活動を通じ、まずは自分自身を幸せにし、それをウェルビーイングな活動に繋げていきましょう

 

〜まちづくり〜

我々の活動する佐久地域は。大自然が色濃く残る土地でありながら、首都圏への高速交通網が整備された優れた立地であり、東京へのアクセスも良好なことから首都圏への通勤範囲となっています。新型コロナ感染症拡大 以降は、都会からの移住先としても注目され、令和4年度、佐久市では、人口が増加に転じるなど、地方都市と しても稀有な現象が起こっていますが、多くの移住者は、この地域に自分自身や家族を幸せにする何かを見つけ、 移住を決めています。

我々は佐久青年会議所として、佐久地域のそうした特徴に応じた、この地域だからこそ必要とされるまちづく りを率先して行っていく必要があります。佐久青年会議所がこの地域に存在していることの意義を、心の奥底か ら叫ぶような、楽しく、大きなインパクトを地域に与える事業構築行ってまいりましょう。我々が地域の中で一 番幸せに活動し、新たなウェルビーイングなまちづくりをすることが今求められています。

 

〜青少年育成〜

佐久青年会議所のこれまでの活動と、地域の子供達に向けた事業は切っても切り離せません。青少年は佐久地域の未来の宝であり希望です。

佐久青年会議所では、近年では佐久っ子道場や、チャイルドワークス等、多くの 素晴らしい事業や運動を発信してきました。青少年向けの事業は、地域の子供の育成、また会員自身が成長する 機会として欠かすことができません。脈々と続く佐久青年会議所の青少年向けの活動は、我々の地域での幸せの 連鎖と言えるのではないでしょうか。

現在の青少年は、新型コロナの影響により、歴史を振り返っても非常に特殊な状況に置かれています。学校行 事や、さまざまな交流の機会は数年にわたり中止され、青少年は、多くの体験や思い出の機会を失っています。 こんな時こそ、我々が青年会議所として、やるべき事業があるはずです。

これまでの事業構築のノウハウや、行政との連携、助成金等の活用実績など、活用できるところは最大限に活 用し、今の時代だからこそ求められる青少年活動を行っていきましょう。
既存の枠に囚われず、未来に向けて大 きな夢を語り、子供たちを幸せにする事業を起こして参りましょう。

 

〜アカデミー〜

発展・成長の機会の提供は、青年会議所活動において核となる活動の一つです。成長の実感は喜びを伴い、我々自身、常に成長し、また新しいメンバーには成長の機会を提供しつづけなければなりません。一方で、成長と発 展の機会は、自主性を持って受けなければ、本当の意味での効果を発揮することはできません。

しかし誰もが皆、必ずしも最初から青年会議所活動に対し積極的に参加できたわけではありません。素晴らし い事業に参加し、素晴らしい仲間と出会えたからこそ、自主性が発揮され、活動が続けてこられたはずです。

次世代の佐久地域のリーダーとなる存在は、きっと我々のすぐそばにいます。少しのきっかけで人は変わりま す。いい事業や活動を続け、その意義を語り、参加する機会を提供し続けることで、必ずや自主性は芽生え、皆 で幸せな活動ができるはずです。
青年会議所は多くの奉仕と友情の機会の提供を長年にわたり続けてきました。 そうした様々な知見をフル活用し、未来の幸せに向かって、仲間とともに楽しく学び続けましょう。

 

〜事務局〜

青年会議所活動を進めていく中で、常に問題となるのは活動に関わる時間です。時間というものは誰にとっても公平で有限なものであり、自身の幸せにおいて、「時間」の配分は重要な要素です。

そんな中、我々は、活動の 効果を最大化する必要があります。

我々にとって必要なものは成果です。成果というのはそれに費やした会議の時間ではありません。実際のアウ トプットできた事業・運動こそが成果です。
時間を有効に使い、成果をいかに出すかを考えながら、改善し続け る組織を追求しましょう。また、多くの人が関わりあい、個人ではできないことをするという組織の意味を考え、 その組織運営を効率化し、貴重な時間を無駄にせず、成果を最大化できる運営を皆で行っていきましょう。

 

〜拡大〜

佐久青年会議所の会員数は過去と比べ大幅に減り、一時は100名、50名を超えるメンバーが在籍していた時代からは大きく状況は変わりました。

また今後数年間で卒業するメンバー数を考えると、現在、佐久青年会議 所は組織が消えてしまうかもしれない危機的な状況にあります。会員拡大は喫緊の課題です。

一方、我々の佐久地域は、移住者が多いという地域特性もあり、会員拡大のチャンスは広がっています。我々 は、新しい仲間と出会い、一緒に活動していくために、理念と活動に共感してもらえる新たな仲間達が活動しや すい環境を作り、仲間に迎える必要があります。
時代と環境にあった組織と活動を自らの手で構築し、自分たちが新たな仲間を誘いたいと思えるような、地域で一番楽しいことをやっている青年会議所をともに作り上げ、全 員で会員拡大を進めて参りましょう。

【結びに】 

我々は、明るい豊かな社会を築くために率先して行動する自主的な団体です。私は、幸せとは、人に与えられるものではなく、与えることで得られるものと信じています。

日々、人それぞれ多くの課題があり、時には大変 なこともあるでしょう。しかし、そうした状況の中でも、自ら喜びを求め、活動していく。その行動が真の幸福 を呼ぶのではないでしょうか。私は青年会議所の仲間達とそうした活動ができると信じています。

本年度の活動において、関わりあった全ての人々と、地域、全てのメンバーが、昨日よりほんの少しでも幸せ になれるよう、これまでの伝統と想いを築き上げてこられた先輩諸兄に心から感謝し、その想いを受け継ぎ、ま ずは我々自身が誰よりも愉しく幸せに活動していきましょう!