2021年度 理事長 土屋  充

【スローガン】

  温故知新   伝統の上に新たな歴史を構築しよう

 

【基本理念】

 「青年会議所しかない」時代から「青年会議所もある」時代へ、設立より55年を迎える佐久青年会議所を取り巻く環境は、大きく変貌しております。このような背景の中で私たちが地域のため、そして自分自身のためにできることは一体何なのでしょう。

組織というものは、常に時代にあったものに変革していく必要があります。

地域から求められる課題は常に変化しており、その課題を察知し、対応することができなければ、組織が存在する意義はありません。今後も佐久青年会議所が地域に必要とされる団体として存続していくためにどうあるべきか。

温故知新、故きを温ねて新しきを知る 長きにわたり先輩諸兄が培ってきた伝統を存知するとともに、新しい佐久青年会議所をメンバー一丸となって構築してまいりましょう。

 

【基本方針】

 

1.地域に真に必要とされる事業の発信

2.地域のリーダーになるための自己成長

3. 未来の佐久地域を創造していく青少年の健全な育成

4. 青年会議所が好きになる新会員の醸成

5. 60周年までの未来ビジョンの制定

6.SDGsのさらなる推進

 

【はじめに】

                  

新型コロナウイルスのパンデミックにより私たちは大きな変化を余儀なくされています。地域経済へのダメージは計り知れないものがあり、所信を書いている現段階でも先の見えない不安感の中、地域の発展は影を潜めている状態であることがわかります。このような状況下で佐久青年会議所は地域のために何ができるのでしょうか。

 

私たちは何でもできるのです。

 

本年は今まで私たちの先輩諸兄が行ってきた事業・運動の意義を深く理解し、事業構築を始めてください。今まで佐久青年会議所は54年間の長きにわたり、「地域社会をよりよき福祉社会」「地域社会をより明るい豊かな社会」にするために活動しております。そのすべての事業・運動がその時代背景に適したものであるとともに、いつの時代も地域に必要なことは何か、的確な判断のもと展開されているものであることがわかります。

このような時代だからこそ私たちが必要とされるのではないでしょうか。何も問題がなくなった地域には青年会議所は必要ではないと私は考えます。しかし、私が知る限り世界の中を見渡してもそのような地域はありません。いつの時代にも新しい問題が発生し続けており、この事実こそが、青年会議所の存在する意義なのです。

JCI MISSIONには私たちの使命が書かれています。「青年が積極的な変革を創造し開拓するために、能動的に活動できる機会を提供する」

私たちは何でもできるのです。40歳までという限られた時間の中で、青年会議所というツールを大いに利用し、能動的な活動ができる機会を提供する能力を有した、家庭にも、会社にも、地域にも必要とされる人間になれるよう邁進してまいりましょう。

私たちは今、新たな時代のスタート地点に立っているのです。

 

■地域に真に必要とされる事業の発信

 

青年会議所は事業構築する際に必要なルーティーンを、『ACF(JCIアクティブシチズンフレームワーク)』として推奨しています。

「分析」 地域の需要を探る

「展開」 持続可能な解決策の策定

「実行」 行動を起こす

「検証」 経過を観察し、結果を評価する

このすべてのルーティーンを地域の利害関係者とパートナーシップをもって実行することにより、持続可能なインパクトにつながるというものです。青年会議所が発信する事業・運動とは地域に喜んでもらうために行うことではありません。青年に能動的な活動ができる機会を提供する事業・運動を持続可能な形で創出することが私たちの使命であります。単年度制である青年会議所はイベント屋になりがちな傾向があります。ACFに照らし合わせて事業を構築することにより、事業・運動を単発的に企画するのではなく、インパクトのある事業を持続可能な形でつなげていくことが必要です。

2019年度、8年間続いたSAKU BLOOMイルミネーションから、2020年度は時代に沿った変化を遂げ、地域に向けての新規事業を実行する計画でしたが、企画した新規事業は、新型コロナウイルスのパンデミックによって中止となってしまいました。本来であれば、昨年実行した事業を検証し、再度、分析、展開することにより、インパクトのある事業を持続可能な形でさらに波及していく年であった2021年度は、新たに地域に波及する事業を創出する年となりました。大切なことは事業の規模ではありません。ACFを青年会議所がパートナーシップをもって実行することにより、地域に真に必要とされる事業・運動が構築できるものと考えます。

 

 

■地域のリーダーになるための自己成長

 

50周年の未来ビジョンに、「己を高め活動していくことこそが明日の明るい豊かな地域(まち)づくりとなる」との一文があります。まず己を高めましょう。高めることによって得た力を発揮することにより、地域に必要とされる団体、また人になることができる。これこそが地域のリーダーとして率先して行動することを宣言している佐久青年会議所の必要意義であるというものです。このビジョンの基、これまでの4年間メンバーは切磋琢磨し、進んでまいりました。会員数が減少している中、地域に対して行う事業・運動はどれも決して会員が減少する以前の時代と比較しても、見劣りするものではなく、必死で企画・立案を繰り返してきたメンバーには頭の下がる思いです。

しかし、目まぐるしく変化する時代背景、会員減少に伴うメンバー個々の労力増加などから、青年会議所としての本質の理解よりも、事業例会の企画・実行をこなすことに注力してしまう現状があります。青年会議所の地域への必要意義を果たしていくために今一番大切なことは何なのか。これこそが己の力を高めてゆくことではないでしょうか。そのために、私はメンバーが今後行っていく通常の委員会運営は、今より少ない時間で行っていただきたいと考えています。議案書など事業・運動を構築する上で重要なものを簡素化するわけではありませんし、組織の重要な決定機関である理事会の手法を変更するつもりもありません。手法が変わらない中、より効率的に、より能動的に活動し、自らが変わらなければ組織運営の労力を削減することは不可能です。本年、メンバーには己を高めることに意識をもって活動していただきたいと考えています。スキルアップにより作り出した時間を家庭や仕事に、さらには佐久青年会議所の新しい事業を構築するための時間に変えることができるのなら、とても素晴らしいことではないでしょうか。

またビジネスの機会を再度検証していく必要があると考えます。2018年、日本青年会議所の定款にビジネスの機会という文言が初めて明記されました。JCが掲げるビジネスの機会とは、入れば仕事がもらえるようなものではなく、新情報、人脈、マネジメントといったものです。時代は常に変化をしています。地域経済を充実させる責務の大半を負っているのは私たち青年です。地域経済の発展なくして明日の明るい豊かな地域(まち)づくりは成しえません。今まで青年会議所が触れることのなかったビジネスの機会を検証し、創出することにより、新たな自己成長の機会が生まれるのではないかと考えます。

 

 

■未来の佐久地域を創造していく青少年の健全な育成

 

グローバル化や情報化が進展する社会の中で、子どもたちを取り巻く環境は先を見通すことがますます難しくなってきています。将来就くことになる職業の在り方についても、技術革新等の影響により大きく変化することが予想されており、2011年に小学校に入学した子どもたちの65%は将来、今は存在しない職業に就くとの予測や、今後10年から20年程度で、半数近くの仕事が自動化される可能性が高いとの予測があります。

こんな時代背景の中、文部科学省では平成29・30年に改訂学習指導要領を発表しております。そこには

「学んだことを人生や社会に生かそうとする 学びに向かう力、人間性」

「実際の社会や生活で生きて働く 知識及び技能」

「未知の状況にも対応できる 思考力、判断力、表現力」

この3つをバランスよく育むことが、新しい時代を生きる子どもたちに必要な力であると述べており、この改訂学習指導要領に基づいた教育改革が進んでいくものと考えます。

設立より長きにわたり青少年育成を大きな柱として活動してきた佐久青年会議所は、未来の佐久地域を創造していく青少年の育成を、時代に基づいた育成方法に変革していかなければなりません。そのためにはまず検証を行うことが必要です。教育機関は私たちに何を求めているのか、どんなことであればパートナーシップをもって協働した運動が展開できるのか。保護者は子どもたちを教育する過程において、どのようなサポートを私たちに求めているのか。明確な検証なくして、子どもたちに「生きる力」を育む運動の発信は困難であると考えます。また、現在の新型コロナウイルスによるパンデミックの中でも実現可能な事業を構築していかなければなりません。長きにわたり佐久青年会議所が活用してきた青少年育成のツールが使えない可能性がある中で、新しい手法を用いて発信することも視野に入れた事業を構築していく必要があります。

「地域社会をより明るい豊かな社会」にするためには、青少年育成は必要不可欠であります。困難な時代背景の中でも青年会議所がパートナーシップをもって地域に運動を展開することにより、子どもたちの「生きる力」の向上に努めてまいります。

 

 

■青年会議所が好きになる新会員の醸成

 

これから青年会議所活動を始めるアカデミー委員会のメンバーにとって、2021年は忘れられない年になります。

青年会議所は、地域に必要とされるリーダーとなるべく地域の青年経済人が集まり運営している団体です。

地域に必要とされるリーダーになるには、様々な地域や組織の問題を抽出し、改善しなければならない事項を検証し、運動を発信していく必要があります。運動の背景には、世界的に問題になっている事項や、地域が独自に抱える些細な問題、また、メンバーのスキルアップなど、いかなる事業・運動にも必ず誰かに必要とされる背景が存在します。この問題に対し、メンバーが切磋琢磨し取り組むことによって、私たちはリーダーとなる能力を身に付けることができるのです。その過程には様々な困難が生じることも事実です。今までの生活の中から新しい時間も創出していかなければいけませんし、家庭や仕事先にも活動を理解してもらう必要もあります。繁忙期、家で休みたい時間にも私たちは集まって議論しなければならないかもしれません。

なぜ、このような労力を要してでも青年会議所活動を行う必要があるのでしょうか。それは、地域に必要とされる人物になるためです。地域に必要とされる人物とは、家庭や仕事においても必要な人物です。誰からも必要とされる人になるために、私たちは40歳までの貴重な時間を使い、学んでいるのです。やがて個人の能力は必ず向上します。困難な時代背景の中で一生懸命、地域のために、仲間のために頑張っているのですから、そうでなければ意味がありません。

入会することによって、今まで家庭と仕事を両立してきた生活の中に青年会議所活動は大きなインパクトを与えることでしょう。1年間、青年会議所の魅力を存分に伝え、この組織の意義を体感することにより、必ず青年会議所が好きになってくれると信じています。

 

 

■60周年までの未来ビジョンの制定

 

佐久青年会議所の周年の年度とは、何を念頭に置いて活動していけばよいのでしょうか。それは来賓の方をお呼びし、盛大な式典を開催することではありませんし、著名な方をお呼びし、地域に感謝されるような講演会を開催することでもありません。私が考える周年の年度とは、私たち現役メンバーが足元を再度見つめ直す年度であると考えます。上記にあるような式典や講演会も確かに重要なものではあります。地域のオピニオンリーダーである来賓の皆様に、今一度、佐久青年会議所が地域に対して行ってきた事業を御理解いただくとともに、今後もパートナーシップをもって地域の課題解決に向かって団結していく良い機会となります。また、地域の方に必要とされるものを波及していかなければならない佐久青年会議所が、昨今資金難である中でも、周年のために蓄えている資金を使って、地域に大きなインパクトを与えることのできる運動を発信することもできるでしょう。

しかし、真の目的は組織内部の見直しにあります。長きにわたり先輩諸兄が培ってこられた伝統を、再度検証するとともに、時代に合った新しい佐久青年会議所を再構築していかなければなりません。昨今、会員減少や、入会者の高年齢化による経験不足など、多くの問題を抱える中で、今一度、現在の佐久青年会議所を足元から見つめ直し、一致団結して進むためのビジョンを構築していかなければなりません。

周年をイベントの年と捉えることなく、さらに地域に必要とされるものを発信していくために何が必要なのか検証し、新たなビジョンのもと躍動していく年としてまいります。

 

 

■SDGsのさらなる推進

 

2019年、青年会議所は「日本で一番SDGsを推進する団体」から「日本最大のSDGs実行団体」になったといえます。全国の地域に2100件のプロジェクト、30億円以上の予算、200万人以上を対象にSDGsを推進するという実績を残しました。SDGs(持続可能な開発目標)は17の目標、169のターゲット、244の指標からなる、青年会議所が果たすべき問題を解決するツールとしても非常に有効なものであると考えます。2021年も対外に発信するすべての事業・運動にSDGsを組み込むことにより、さらなるSDGsの推進を進めていく必要があると考えます。

 

 

■結びに

 

2021年度、佐久青年会議所は新しい歴史を築いていくため、様々なことを再考していく年となります。

少数精鋭といえばいいのでしょうか。佐久青年会議所のメンバー数も全盛期に比べると半減し、事業・運動の縮小もやむなしと言える状況下でも、今の現役メンバーは昔と変わらない例会数をこなし、地域にインパクトを与える事業を提供し続けています。1年間ほとんど議案書を書き続けるような委員会運営を行いながらも、献血や募金などの事業にも半数以上のメンバーが駆けつけてくれる。そんな素晴らしいメンバーを誇りに思いますし、この想いを地域に伝播し、一人でも多くの仲間を見つけることが非常に重要であると感じています。

本年度の会員拡大は『みんなで』進めてまいります。個の責任において行う会員拡大はもはや限界を迎えています。メンバーが漠然と思っているであろう「何とかなるだろう」は、いよいよ何とかならなくなってきているのです。このままでは組織はなくなります。それはいい組織、悪い組織ではなく、人が離れてしまうことによって。私はもっと多くの仲間と青年会議所活動がしたい、青年会議所の素晴らしさをもっと多くの地域の人に伝えたいのです。

会員拡大は義務です。地域のために必要な団体を、未来のメンバーに安心して引き継げるように、みんなで会員拡大に取り組みます。

新型コロナウイルスは、地域や佐久青年会議所にも大きな影響をもたらしました。

私たちは試されているのです。このような苦難の時代に必要とされる組織であるか、このような社会全体が衰退している有事の際に、仕事のみならず地域のために活動することができるリーダーであるかを。

こんな時代だからこそ、地域に光を差すことができるよう邁進してまいりましょう。